いさブログ

就職に有利!?簿記の難易度と勉強時間について。独学で合格した僕の感じたこと。

こんにちは。いさです。

今回はふと思い立って試験2ヶ月前から日商簿記2級に挑んだ僕の経験と思ったことを紹介します。今後挑戦する方々の参考になればと思います!

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まず、簿記とは。

あまり知られてはいませんが簿記とは〝帳簿記入〟 の略称であり、そのままの意味で帳簿に記入をすることを指します。

簿記の位置付け

では、何を記入をするのか。

それは簡単に言うと日々の業務取引で発生するお金の流れです。

事業主は業務中に発生した全ての取引を継続的に記録する必要があります。

簿記ではそのために必要な知識や技術を習得することができます。

また簿記は、経理や会計の基礎的な知識ですので会計士や税理士についても必須の知識となっています。

そして公認会計士や税理士はその道のスペシャリストですので、かなり高度な簿記の知識を必要とされます。

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会計や経理について全く知識の無い方は全くイメージもできないかと思いますので簿記を勉強する上での基本となる〝仕分け〟について簡単に説明します。

 

例えば小売業者の業務に必要な取引の中で、現金で商品を購入したとします。

この時この小売業者の中では現金という資産が出て行き、商品という資産が入ってきました。

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これは先ほど書いたように、業務中に発生した取引になります。

この取引を帳簿に仕分けして記録すると以下のようになります。

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簿記ではこのような仕分けを利用してお金や資産などの流れを継続的に記録しておき、決算時の書類作成の際に使用することを目的としています。

種類・試験について

簿記には〝日商簿記〟〝全経簿記〟〝全商簿記〟の3種類あり、それぞれ少しずつ特徴が異なります。

ちなみに日商簿記と全商簿記は社会人向けであり、全商簿記は日商簿記の下位互換といったイメージ。

全商簿記は高校生向けの資格というイメージです。

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僕はこの中でも最も知名度が高く難易度の高い日商簿記に挑戦したので日商簿記について説明します。

 

日商簿記

日商簿記は〝初級〟〝1級〟〝2級〟〝3級〟の4種類あり各級の概要、例年の合格率は以下のようになっています。(初級は割愛しています)

 

●1級(目安勉強時間:2級取得者が1年間)

試験科目:商業簿記会計学・工業簿記・原価計算

試験時間:商業簿記会計学で90分、工業簿記・原価計算で90分

合格基準:70%以上ただし、1科目ごとの得点は40%以上

受験者数

実受験者数

合格者数

合格率

150(2018.11.18)

9,852名

7,588名

680名

9.0%

149(2018.6.10)

9,429名

7,501名

1,007名

13.4%

147(2017.11.19)

10,675名

8,286名

487名

5.9%

146(2017.6.11)

9,064名

7,103名

626名

8.8%

144(2016.11.20)

11,062名

8,416名

783名

9.3%

143(2016.6.12)

9,845名

7,792名

846名

10.9%

 

●2級(目安勉強時間:6ヶ月)

試験科目:商業簿記・工業簿記

試験時間:120分

合格基準:70%以上

受験者数

実受験者数

合格者数

合格率

151(2019.2.24)

66,729名

49,776名

6,297名

12.7%

150(2018.11.18)

64,838名

49,516名

7,276名

14.7%

149(2018.6.10)

52,694名

38,352名

5,964名

15.6%

148(2018.2.25)

65,560名

48,533名

14,384名

29.6%

147(2017.11.19)

63,757名

47,917名

10,171名

21.2%

146(2017.6.11)

58,359名

43,767名

20,790名

47.5%

 

●3級(目安勉強時間:3ヶ月) 

試験科目:商業簿記

試験時間:120分

合格基準:70%以上

受験者数

実受験者数

合格者数

合格率

151(2019.2.24)

104,357名

80,360名

44,302名

55.1%

150(2018.11.18)

111,657名

88,774名

38,884名

43.8%

149(2018.6.10)

101,173名

79,421名

35,189名

44.3%

148(2018.2.25)

102,212名

78,243名

38,246名

48.9%

147(2017.11.19)

113,559名

88,970名

35,868名

40.3%

146(2017.6.11)

102,077名

80,227名

40,880名

50.9%

 

3級は毎年合格率50%になっています。

これは僕が実際に受験して感じたことですが、日商簿記の2級はだいぶ運要素が強いと思われます。

第146回の2級の合格率は47.5%と3級とほぼ変わらない数値でしたが、第151回になると12.7%と1級と同じような数値になっています。

これより年度によって大きなばらつきがあることがわかります。

資格試験では合格率を一定にするためにその年度によって合格ラインを変動させるものもあるのですが、こんなにも年度によって合格率にばらつきのある資格はとても珍しいと思います。

どういった理由でこのような難易度設定をしているのかは試験実施機関である日本商工会議所にしかわかりませんが、ここ最近で2級の出題範囲が大幅に拡大され、実際に合格率も大ききく下がっているので舐めてかかると痛い目を見るかもしれません。

1級に関しては独学での合格は難しいと言われるほどの高難易度な試験になっています。

ただし、日商簿記に関しては市販のテキストが充実していますので、時間をかければ不可能ではないと言われています。

メリット

簿記を待っていることで発生するメリットとしては2つ挙げられます。

1つ目就職や転職の役に立つということです。

僕は技術職なので簿記を活用して就職をしたり転職をした経験はないのですが、日商簿記2級以上は所持資格として企業に対して良いイメージを与えます。

ただ、僕の感覚ですが転職するために多くの時間を費やし簿記を必死に勉強するというのはおすすめできません。

簿記2級レベルですと商業高校出身者は大体の方が所持していますし、企業にアピールはできますが勉強時間に対する見返りが合ってないと思います。

また、転職できたとしても簿記の知識を使って業務を遂行するということはほとんどありません。

ですので転職をお考えの方は次の職業に合った資格取得をお勧めします。

 

次にメリットの2つ目としては金融関係の知識向上のための踏み台になるということです。

簿記に留まらずもっと上の資格所得を目指す方にはとても大きなメリットがあると思います。

なぜなら簿記は企業にとっての成績表である財務諸表を作成するための基礎になるからです。

金融系といっても主に会計や税務系に直結してきますが、他の分野でも簿記の知識があることで内容を理解しやすくなります。

僕自身、簿記の前にFPを勉強していましたが簿記の勉強の前と後ではFPに対する理解度がとても深くなりました。

税理士に関しては日商簿記1級を所持していることが受験資格となっているので、それだけ大切な知識であるということが分かります。

受験しようと思った理由

次に僕がなぜ試験2ヶ月前に簿記2級を受験しようと思ったかを紹介します!

株の知識のため

まず、株について簡単に説明します。

企業が発券した株を株主が購入することによって企業は返済義務の無い資金を調達することができます。

投資家はこれを株式市場で売買することによって利益を得ます。

(安い時に買って、高い時に売るとその差額分だけ利益を得ることができます。)

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どうにかして給与以外に収入を得ようとしていた当時の僕は株に手を出しました。

しかし株で儲けるのは簡単なことではありません。

なぜなら、今後株価が上昇する企業を見抜いて投資をする必要があるからです。

そこで企業の業績について本格的に分析するために必要な知識をつける必要があると思い簿記の勉強を始めました。

今ではビジネス会計という資格も取得し財務諸表を分析する能力も向上できるよう努力しています!

挑戦するために

また、もう1つの理由としてやりたいことを模索していた僕にとってちょうどいいタイミングであったということが挙げられます。

簿記に関する知識なんて1ミリもなかった僕が独学で、しかも2ヶ月(平均必要勉強期間:6ヶ月)という短期間でどれだけやれるのかという挑戦でもありました。

おかげでその2ヶ月間は簿記以外のことは頭になく、ほとんどの休日を自宅で過ごしていました笑

実際のところ

最後に日商簿記2級を受験して個人的に感じた〝勉強〟〝試験〟〝知識〟について紹介します!

独学について

ちなみに日商簿記3の勉強は一切せず2級からはじめました笑

ですので結構苦戦を強いられていました。。

僕自身の勉強実績としては2ヶ月間の間に

1ヶ月間:インプット(90時間)

1ヶ月間:アウトプット(90時間)

といった感じです。大体一日平均3時間といったところでしょうか。

日中は仕事をしながら毎日3時間勉強時間を確保するのはするのはかなりハードでしたが、休んでいる時間もなかったので自分でもだいぶストイックにこなしていたと思います。

しかも完全独学だったので1項目理解するのに多くの時間を費やしてしまいました。

周りに簿記の知識がある人がいる方は大まかな概要だけでも聞いてから取り組むとだいぶ違うのでは無いでしょうか。

次にテキストに関してですが、

僕が使用したのは商業簿記、工業簿記の教科書と問題集のそれぞれ1冊ずつで4冊

あと、過去問を10年分収録したモノを1冊使用しました。

自分的にはベストな量だと感じました。

教科書についてはたくさんの種類が出版されていますが、どの教科書でも深く読み込めば十分に合格できるレベルの知識をつけることができると思います。

教科書で知識をつけ、問題集で定着させる。そして最後に過去問で実力を試すという順番でやると効率よく勉強できるのでは無いでしょうか。

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ちなみにこの中で僕が最も重要だと感じたのは過去問を解くことです。

問題の傾向として、毎年では無いですが似たような問題が出題がされます。

その傾向になれることが1番の試験対策だと感じました。

初見で解けることはまず100%無いと思います笑

そして分からない問題は考えたところで分かりません。。。

ですので、まずは回答を見ながら1つひとつ確実に覚えていくことをお勧めします!

ただ、人に教えてもらう方が時間も労力も間違いなく無駄にしません。

ですが1人でできないことでもありません。努力の先に道は必ず見えてくるので諦めずに頑張ってください!

試験について

続いて試験についてですが、結構ボリューム満点です。。

試験時間は2時間。大問が5問あり、各問にかけられる時間が限られてきます。

例年大問2と大問3は他に比べてボリュームが多くなっています。

ですので、どれだけスムーズに問題を解いて点数をもぎ取っていくかが勝負になります。

そのためには問題に慣れることが大切になってきます。

僕は簿記の勉強に関しては〝勉強〟というより〝練習〟をしている感覚でした。

何度も何度も問題を解くことで問題に慣れていき、スピードをつけていくことが合格の鍵になります。

また、簿記には精度も求められます。

回答形式が選択式ではなく記述式なので、計算を1つでも間違えてしまうと芋づる形式で間違いが量産されかねません。

それを防ぐには電卓の技術も必要になってきます。

最初はゆっくりでいいので、手元を見ないでも打てる(ブラインドタッチ)ができるように練習することも重要です。

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身についた知識

最後の最後に日商簿記2級を受験後、自分に身についた知識についてです。

先ほども書きましたが、会計や税務関係の知識に対する基礎がついたと思います。

ビジネス会計2級も受験しましたが、簿記の知識のおかげで約2週間の勉強で合格ラインに達することができました。

僕は今後も自分の知識を向上させるために様々なことを勉強していくつもりですが、その基礎として簿記を勉強しておいてよかったと思います。

もし、金融に関する知識を向上させるために簿記について勉強しようか迷っている方がいるのであれば、大切な時間を費やしてでも勉強することをお勧めします。